Mahmalo’s blog

趣味、興味、留学、日常について語ります。

【留学】土砂降りで心が折れそうになった一年生初日③

台湾留学初日、時刻は18時頃。

 

私は空腹を感じ、外に出て食べるものを買おうと思った。外食文化が盛んな台湾では、基本人々は(特に一人暮らしは)外で食べるものを買うことが多く、外食の値段も日本と比較して安い。

私は外に出ようと一度ロビーに降りた。ロビーのソファには二人の男性が座っていて、英語で会話をしていた。私は呼び止められ、「君も今日来たところ?もしこれから夕飯なら一緒にどう?」と聞かれたので、私は(これで何を食べるか悩まずに済むと思い)快諾した。

 

二人の男性のうち一人はシンガポール人のエンジニアリング修士、もう一人はドイツ人の物理学専攻の交換留学生だった。

「まさにそれっぽいステータスだな…」と思いつつ私は、「日本人で、社会学専攻の一年生です。正規留学なので4年ここにいる予定です。」とだけ自己紹介し、3人で寮を出発した。

シンガポール人が、台湾のローカルな食堂を知っているというので、そこに行くことにした。道中、彼らと私は様々な話をした。シンガポール、ドイツ、そして日本のこと、趣味、専攻、台湾の食べ物と気候…等、初対面らしい会話だった。

 

目的地に着くと、まさにローカル臭漂う食堂で、メニューも炸/魯排骨飯、控肉飯、雞腿飯等、少数ながらも台湾で日常的に食べられているメニューばかりだった。

我々3人は席を探し、卓上の注文表にそれぞれ食べたいものにチェックを入れ(私は炸排骨飯を頼んだ)、カウンターのおばちゃんに渡した。

 

カウンターでは4人ほどのおばちゃんが手際良く注文を捌き、客のご飯を用意していた。レジ担当のおばちゃんが注文を聞き、レジを打ち、お金をもらい、定食の用意ができた場合は大声で注文番号を叫ぶ。他の3人は黙々と手際良く注文通りに定食を準備するのである。

なるほど、何から何まで台湾らしい。まさにローカルな食堂に連れて来られたと私は思った。

 

私たちの定食も、やがて準備ができて注文番号を叫ばれた。さっさと持っていけとばかりに「これと、これと、これ」と次々に渡され、「箸とスプーンも忘れないでね!お食べ!」と送り出された。

私たちのテーブルに戻り、3人揃ったところで私たちは食べ始めた。

2017年当時はあまり日本で食べることができなかった、台湾のローカルフード。

今でこそ魯肉飯など、日本でも食べることができる物もあるが、当時は日本に進出していなかったこともあり、炸排骨飯などは私にとっては食べ慣れていない食べ物だった。

 

いざ口にしてみると、しっかり味付けされた肉に、しょっぱめの衣がついていて、案外行けるなと感じた。しかし、食べ慣れない味であることには変わりなく、私はしばらく反応に困っていた。

ふと周りをみると、シンガポール人は食べ慣れているのか、パクパクと口に放り込み、「ここ、なかなか行けるんだよね。」と言っていた。一方ドイツ人(控肉飯と呼ばれる、豚の角煮定食を頼んでいた)の方は、あからさまに微妙な顔をして、「何だかストレンジなスパイスの味がする。」と、苦戦している様子だった。

 

台湾の料理は私にとって、全般的に脂っこく重い。揚げ物が多いせいもあると思うが、野菜や付け合わせに至るまで、油で炒めるか、味のしっかりついた煮汁で煮てある。

たっぷり味の濃い定食を味わった後、我々一行は店を後にし、最近では日本にも進出しているCoco都可でタピオカミルクティ(半糖少冰)を買い、寮に戻った。

「またご飯でも食べに行こう!」

と3人で言い合い、各々の部屋に戻って行った。

 

そうしてまた、部屋に戻って来た私は、その日に起こった一連の出来事に新鮮味と疲れを感じながら、シャワーを浴び、寝る準備をして就寝した。

こうして私の怒涛の初日は幕を閉じたのである。

言うまでもなく、これはあくまで初日であって、これから4年間に渡って実に波乱万丈の留学生活を送ることになるのである。